キャリアの物語をつむぐ

働きかた編集者 山中康司のブログ

【雑記帳】キャリアって、物語なのかもしれない

もともとしがない編集者をやっていた僕が、いまではキャリアコンサルタントを目指しています。編集者とキャリアコンサルタント。一見するとまったく違うように思えますね。でも、僕のなかでこれらを仕事にした背景にあった価値観はおなじでした。

 

それは、”ひとが物語るお手伝いをする”ということ。

 

編集者のときは、インタビュー相手の語りを引き出すこと、その人自身すら気づいていない、その人にしかない物語を紡ぎだすことが、大事な仕事のひとつで。編集者の仕事はほかにもたくさんあるんだけど、働いていくなかで「あぁ、僕がいちばん楽しいと思えるのは、”ひとが物語るお手伝いをする”ことだな」と思うようになりました。

 

じゃあ、もっと”ひとが物語るお手伝いをする”ことができる仕事ってないものか。そうして出会ったのが「キャリアコンサルタント」という仕事だったんです。

 

自分という主人公が、いろんな人と出会い、困難に直面して挫折しながらも、乗り越えて成長していく…。キャリアって、”物語”に他ならないですよね。そして、脚本を描くのも、主役を演じるのも自分。そういう意味では、だれもが人生という物語の主演・脚本を担っているんです。

 

『ロッキー』のシルベスター・スタローンじゃないのだから、それはとても難しい作業に違いありません。だから、ひとりひとりが自分の物語をつくりあげていくお手伝いをする役割が求められています。それがキャリアコンサルタント」です。

 

小説家の小川洋子さんは「生きることは物語ること」と言っています。言い換えるなら、だれもが物語をつくることによって、自分の人生を意味付けている。逆に言えば、いい物語をつくれないと、自分の人生の意味を見失ったり、「なんで自分だけこんな人生なんだろう」みたいな、暗い気持ちで生きて行くことになってしまうかもしれません。

 

だから、個人が素晴らしい”物語=キャリア”をつくっていくお手伝いをする「キャリアコンサルタント」は大切で、とてもやりがいのある職業だな、と僕は思っているのです。

 

とはいえまだなっていないので、悪いところは見えていないんですけどね。”ひとが物語るお手伝いをする”という価値観は、これからもあまり変わらないように思います。