キャリアの物語をつむぐ

働きかた編集者 山中康司のブログ

ローカルが豊かになると、生き方の選択肢も増える

f:id:kjymnk:20171201000903j:plain

 

「ちまたではローカルローカルいうけど、ローカルのなにがそんなにいいんだ」

 

なんて思っている人も、なかにはいるはず。僕も田舎暮らしに憧れがあるし、いずれは移住したいと思ってるけれど、「みんな都市に集めた方が効率的じゃないですか」みたいなこと言われたら、まごまごしちゃってたと思うんですよね、実際。

 

今日参加した「green drinks Tokyo 本当の「ローカル」ってなんだろう?」は、「ローカルのよさ」ってこういうことかもと、自分なりに腹落ちするきっかけになりました。

 

特に面白かったのは、グリーンズ鈴木 菜央さんが紹介してくださったアメリカでのクラフトビールのはなし。日本ではビールといえばアサヒとかサッポロとか、ナショナルビールをイメージするけども、全米のビール市場の12.3%はクラフトビールが占めていて、その売り上げは年間2兆5000億円。これは日本のビール市場と同じなのだとか。そうしたクラフトビール志向の背景には、ローカル志向があるのだそう。つまり、地域で作られたビールを飲むことで地域内で経済が循環し、地域に雇用が生まれる。「だったらクラフトビール飲もうよ!」ってことらしい。

 

つまり、これはビールの事例だけども、食材でもエネルギーでも地域内で自給できるようになるほど、地域で経済がまわるようになり、そうすると地域に雇用が生まれ、そこに住む人が増えるんですね。

 

働きかた編集者の立場からいえば、これってすごくいいこと。やはり「この地域に住みたいけど、仕事がないから」という理由で離れてしまう人はいるんですよね。だから地域に雇用がある(あるいは自分でつくれる)ということは、人生の選択肢が増えるということ。

 

ローカルが豊かになるということは、人生の選択肢が増えるということなのですね。

 

「みんな都市に集めた方が効率的じゃないですか」というのは、それはシステム側の論理から言えばそうかもしれないけど、僕ら人間は研究室で培養されている菌ではないわけで、一人ひとり生きたい人生を選択する自由があるはず。その選択肢はきっと多い方がいいと考えると、やはりいろんなローカルが存在していて、自分にあった地域はここだな、って選べる方が、豊かな社会じゃないかな。