キャリアの物語をつむぐ

働きかた編集者 山中康司のブログ

今日から、自分を好きになってあげよう -『うつヌケ』田中圭一-

ぼくは気持ちの上がり下がりが結構はげしい方です。重めの仕事があるとき、苦手な人と関わらなきゃいけないとき、そして気圧が急激に下がったとき、朝からズーンとゆううつな気持ちになることがしょっちゅうで。

 

そんな後ろ向きな自分をなんとか変えたいと、『プロフェッショナル』みたりとか、すごく頑張っている毎日イメージトレーニングをして、「こうあらねばならない」ってイメージを自分の中に定着させようとしてたんですが、なかなかうまくいきませんでした。それで、「やっぱ自分ダメじゃん」って思っちゃったりして。悪循環。

 

でも最近、『うつヌケ』を読んだら、結構心が晴れたんです。

 

 

『うつヌケ』は自らもうつを経験した田中圭一さんが、うつトンネルを抜けた人たちにどうやってうつと向き合ったかを取材し、漫画にしてまとめた本。

 

ぼく自身は倦怠感や無気力といった症状がずっと続くというわけではなく、たまに(特に天気の変わり目に)そうなるという感じなので、うつ病ではないと思うのですが、それでも読んだ後気持ちが軽くなったんです。

 

それは、「ありのままの自分を受け入れればいいんだ」ということに気づけたから。本でも書かれているように、うつになってしまう要因として、自分を嫌いになることが大きいんですね。「自分なんかダメだ」と。

 

人間は本質的に、

  • 自分が好き
  • 肯定されたい
  • 必要とされたい

→これに抗うとうつになる。

(161頁)

 

という、メカニズムはすごくシンプルです。

 

ぼくの場合、まさにそんな本能に抗っているとき、気持ちが憂鬱になっていました。

 

「メールはすぐ返さなければならない」

「ゲームをする時間があったら、読書して教養をつけなければならない」

「毎日決まった時間に早寝早起きしなければならない」

「仕事でプロフェッショナルにならなければならない」

 

みたいな思いがあって、それをできないと「自分はダメなやつだ。嫌い。」って責めちゃう。心が責めちゃうけど、体は「ゲームしたいよー」ってなってるから、反抗する。そんな心と体の対立が、調子の悪さにつながってたんですね。

 

だから、「ねばならない」思考は捨てたほうがいい。捨てた上で、自分を受け入れてあげる。「ゲームしちゃお! そんな自分もありだよね!」「別にプロフェッショナルにならなくたって、自分は自分だよね!」って、自分を受け入れてていいんです。

 

そう考えたら、ずいぶん楽になりました。

 

この本は、別にうつ病に悩んでいる人でなくても、「自分はネガティブなとこあるなー」って思う人にはオススメ。

 

それに、今の時代誰もがいずれうつ病などの気分障害を抱えるリスクは持っているし、ましてや周りの誰かがうつ病になることはかなりの確率であるのだから、こうした本を読んで「うつ病ってこんな感じなのか」って知っておくのはいいですよ。ぜひぜひ読んでみてください。