キャリアの物語をつむぐ

働きかた編集者 山中康司のブログ

「仕事研究=業界研究」ではないという話

就活生の支援をする機会が増えたので、昨今の就活事情について勉強をしはじめた。

 

ぼくが就活生だった頃と違うこともあれば、まったく変わらないこともあって、とてもおもしろいのだけど、そのなかで「ん?」と違和感を感じたことのひとつが、「業界研究」のこと。

 

就活本を読んでいても、就活生と話していても、「仕事研究=業界研究」になっているような印象を受けるのだ。

 

…いや、それはいいすぎだな。仕事研究の中で、業界研究が占める割合が大きいというか。どんなことを仕事にしたいかとという時に、「飲食業界に行きたい」「IT業界に行きたい」というこたえをもらうことが多いような気がする。

 

それ自体は、ぜんぜん悪いことじゃない。でも、転職活動をしたことがある方ならピンとくるかと思うけど、自分に合った仕事を選ぶとき、業界研究はそのひとつの入り口にすぎないのだ。職種で選ぶ人もいるし、働く仲間で選ぶ人もいるし、社食の美味しさで選ぶ人もいる(いるかな?)。

 

これは転職市場の話だけど、『@人事』の記事によると、価値観の多様化や業務の細分化によって、「社会の変化により、就社(会社情報)→就職(職種情報)→就職場(職場情報)へと、求職者が企業に求めることも変化してきている」らしい。

(参考:求職者が転職活動中に企業へ求める情報とは?|@人事ONLINE)

 

これって、就活生にも言えるんじゃないのかな。つまり就社や就職じゃなく、その仕事の具体的な内容や、どんな人と働くかという「就職場」というニーズは高まっているのだけど、職場の具体的な情報が手に入る機会は少ない。だから、これまでの学生と同じ「業界研究」という方法に頼るしかなくなっちゃってるのかもしれない。

 

その意味では、インターンの機会はすごく重要なのだろうな。その会社に行って、実際に働く機会を通して、職場の雰囲気や具体的な業務をすることができる貴重な機会だから、学生の皆さんには存分にその機会を活かして欲しい。